ある晴れた日に 第113回
大潮が四日続くや由比ヶ浜
赤白と千切って流す蓮の花
メダルより君には似合う夾竹桃
八月や名刀鍛える眼の光
八月や白装束で母逝きぬ
八月や胸にメダルの無い帰国
紅白の蓮投げ入れし祖母の棺
八月や凡作もある名監督
来る度に潮目が変わる由比ヶ浜
今日もまた黄色の旗なり由比ヶ浜
青天の霹靂それが恋である
ブログ書く自己満足の馬鹿ばかり
二列目の朝顔が咲かぬもどかしさ
暑中見舞いに返事が来ない不気味さよ
ディーリアスの曲流してや盂蘭盆会
広大なクラッシックの海にぽつり浮かんだケンプ島懐かし
坊さんの読経にこたえアブラ鳴く十三日は盆の入りなり
歌って踊って叫んでいるのはどうでもいいよな事ばかり
介護される方が死ぬか介護する方が死ぬかそれが問題だ
武雄さん武雄さん亡夫の名を呼びながら義母はわが手を握り締めたり
三人の娘に手厚く介護され九十一を全うせしひと
お疲れ様遂に終わりぬ九十一年の生涯五年の介護
それが恋青天の霹靂我らを直撃す
尖閣諸島、竹島問題よりも大切なことが世の中にはあるんだ
由比ヶ浜の沖合遥か抜き手切りオシッコしてから浜に戻れり
三党協議党は最低だが橋下慎太郎ファシスト新党は史上最悪だろう
革命の原点は食料暴騰人心不安いずれその日も遠くあるまじ
革命てふ言葉なんて発する力なくヤマトシジミ地べたに伏せる
昔から自分勝手な奴だったチャンスには滅法弱い鈴木一郎
親交が深いというは言い過ぎで友誼に厚いと申すべきなり
東電のコンクリートの電柱で朝も早からミンミン鳴くなり
東電は潰れてしまえと言えぬのはK子ちゃんさんが働いているから
毎日必死で映画見ていますHDDからこぼれださないように
喰うても喰うても冷蔵庫に一杯残っているよ愛知和合の巨大西瓜
「次回は九月一日午前一〇時です」歯医者に告げられしその三ヶ月後の自分が見えない
生きていくことは大変だねと横須賀のうどん屋のおばさんと一致したり
関内で人死にありという電車血ぬられし線路を全速で過ぎたり
大ウナギはタヒチの神様ヤシの実に顔が似ているから誰も捕らない
自分で手を下さず他人に殺してもらおうとするこの横着者め
樹脂の香は悩ましくないか樹脂会社に勤める甥っこよ
NHKおはよう日本まちかど情報室鈴木奈穂子と鹿島綾乃は飛びっきりの仲良し
セールスマンは「ライムホワイトパールです」と力むけどつまりは白いセダンでした
誰ひとり読まぬブログを描き続ける人の心の闇を吾知る
思い出は遥かに遠くディーリアスの「夏の歌」聴きし千歳烏山の夜
「お父さん浮輪潰してください」の一言で我が家の夏休み終わりぬ
八月や壺には熱き母の骨 蝶人
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