鎌倉ちょっと不思議な物語48回
中也最後の居寓となった寿福寺は、頼朝の夫人政子が栄西を開山として建てた鎌倉五山第三位の寺である。
ここは臨済宗ではもっとも早く創建された。境内(国史跡)には総門、石畳の参道、山門、宋風の柏槙、仏殿などがあり、裏山には三代将軍実朝と政子の墓と伝えるやぐらに五輪塔がある。
そして中也の家はこの寿福寺の境内にあった。境内には池があり、その鳴き声が「蛙声」1篇となった。
天は地を蓋ひ、
そして、地には偶々池がある。
その池で今夜一と夜さ蛙は鳴く……
―あれは、何を鳴いているのであらう?
その声は、空より来たり、
空へと去るのであらう?
天は地を蓋ひ、
そして蛙声は水面に走る。
私のははの家にも蛙ならぬオタマジャクシが小さな池で泳いでいる。
こうやってほんの1部を別途飼育して万が一の絶滅に備えておき、初夏になったら太刀洗の天然の水溜りに離してやるのだ。
(写真は寿福寺とその境内にある池)
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