鎌倉ちょっと不思議な物語49回
昭和12年当時の鎌倉には小林秀雄、今日出海、大岡昇平、中村光夫、島木健作、岡田春吉、高原正之助などが住んでいたが、中也は足しげくこれらの友人たちを訪ねた。また街中の散歩にもよく出かけ、映画館や書店や商店や寺社仏閣を訪ね歩いた。
中也は林屋という百貨店で空気銃を買い、以後しばしば鎌倉八幡宮や大塔宮へ雀を撃ちに出かけている。かつての林屋百貨店は現在では林屋材木店になっている。(写真左)
また中也は長谷の「からこや」というおもちゃ屋ではドミノを買った。
今年3月中旬にその「からこや」を久しぶりに訪ねたら、なんとシャッターが下りていた。(写真中)
愛嬌のある三人姉妹がいらっしゃーいと迎えてくれるいい店だった。2月の中旬にさよならバーゲンをして閉店したばかりだという。
同期の桜が散ったようでとても寂しいが、「からこや」のご主人は長谷商店街の会長さんなので閉店後も一人残って町の存続のために頑張ってくれるという。(お向かいの金物屋さん談話)
ドミノも空気銃も買えなかった私は、小町の商店街のたった1軒のおもちゃやで、パチンコと玉をセットで352円で買った。(写真右)
これで鎌倉の山々と動植物を荒らすタイワンリスをビシバシ撃ち殺すつもりだ。
ひねもす空で鳴りますは
あヽ電線だ、電線だ
ひねもす空で啼きますは
あヽ、雲の子だ、雲雀奴だ
碧い 碧い空の中
ぐるぐるぐると 潜り込み
ピーチクチクと啼きますは
あヽ雲の子だ、雲雀奴だ 「雲雀」
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