Sunday, December 02, 2012

豊田四郎監督の「夫婦善哉」を見て




闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.355

こないだ亡くなった淡島千影がもっと昔に亡くなった森繁久弥と組んで演じる大阪浪速の夫婦善哉。苦労と涙と儚い望がちょちょ切れる正統的な日本映画ですわ。偉いこっちゃ。

主役のヒロイン、ヒーローがいい味を出しているが脇の浪速千枝子、山茶花究が見事に脇を引き締めている。遠くの金より手近の銅というとこないだオリンピックの日本選手のようだが、いくら長男であってもこんな商魂商才のない長男坊には名門商店の跡を継ぐ資格など無い。

好きな水商売の女に救われたあかんたれの跡取りを森繁が好演。法善寺横丁の無水掛け不動尊に願掛けて老残の道を手に手を取って駆けだす2人に幸あれと願わずにはおれない。


君はどんな目に遭ったのと尋ねてもただ手を舐めるだけ被災地からの犬 蝶人

*上記の短歌が昨2日「日経歌壇」穂村弘氏の選に入りました。第1席は初めてなのでとてもうれぴいなあ。なおこの和犬の次郎がトップ映像。哀しい目をしています。

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