Sunday, December 16, 2012

リチャード・ブルックス監督の「弾丸を噛め」を見て




闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.365

「弾丸を噛め」というのはいい題名だなと思って、原題を調べてみたらまったく同じ意味の英語Bite the bulletだった。ちょっと奇妙な西部劇で、莫大な賞金を目当てに駆けつけたカウボーイや英国人やメキシコ人などが過酷な乗馬レースに挑むのだがその道中でいろんな事件が起こるので、観客はあれよあれよと指差しながら楽しむという趣向。

紅一点の元売春婦カウガールに懐かしのキャンディス・バーゲンちゃんがブロンドをなびかせながら駆け抜け、これをジーン・ハックマンやジェームズ・コバーンなどが追いかけるという構図。

面白いのはジーン・ハックマンが動物や女性に優しいキューバ戦争の闘士という設定になっていて、レースのゴール間際にも勝利よりも愛馬のいのちを大切にするという奇特なキャラクターを演じている。

実際に「弾丸を噛む」のは貧しく頑健なメキシコ人で、虫歯に苦しんでいる彼のために心優しいジーン・ハックマンが銃弾を加工したかぶせを作ってやる。おかげで歯痛から解放されたメキシカンは弾丸を噛みながら頑張ってという美談?にもとづくのであるが、お約束通り自民に大敗した民主党もとうぶんは弾丸を噛んで雌伏してもらいたいものだ。

弾丸を噛みつつ政治も成熟す羹に懲りて膾吹きし人も 蝶人

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