Sunday, December 09, 2012

岡本喜八監督の「独立愚連隊」を見て




闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.361

私にとってまっとうな戦争映画とは小林監督の人間の条件や極東裁判などであるが、この映画ではわが帝国の中国侵略戦争が、面白おかしい見世物であり一種の活劇と化している。

満州に潜入した主役の佐藤允が、謎の「独立愚連隊」に興味を抱いてアンガージュしようとするのだが、対日ゲリラ部隊ならいざしらず、まがりなりにも帝国陸軍内の「独立愚連隊」ってはてさてなんのこっちゃ?

あの泥沼の日中戦争を観念的に無化して、まるでドンキホーテのような独立行動隊があったら面白かろうというこの監督の軽佻浮薄な思いつきから生まれたのだろうが、あまりにも深刻で重苦しい現実に対して屁のつっぱりぱりにもなら
ない三文漫画であった。

ポカンポカンと頭を西瓜のように叩いているもうやめてくれえ 蝶人


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