Wednesday, December 12, 2012

小栗公平監督の「泥の河」を見て



闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.364

泥の河を挟んだ廓船と食堂に住む人々、とりわけ3人の少年少女の出会いと別れを描いた日本映画の傑作である。

冒頭の馬車曳きの死、橋の下に蠢く大魚、引き続き描かれる水の人と陸の人とのつかのまの友愛の姿は儚くも美しい。

廓船で客を取る加賀まり子の怪しいまでの妖艶さを見よ! それは焼かれて燐光を発しながら悶える蟹の残酷なまでの美しさともシンクロしている。何度見ても心に響く見事な映画である。


原宿の竹下通りでごろつきに殴られたルネ・コロいたまし 蝶人

No comments: