Wednesday, September 19, 2012

ロン・ハワード監督の「バックドラフト」を見て




闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.313

あの9.11を想起させるようなアメリカの消防士の活躍と悲劇をロン・ハワードが「コクーン」における凡庸な演出とはひとあじ違う冴えを見せて力強く描いている。

この映画を見ると消防士の闘いがどのようなものであるか、判ったような気になって来る。優れた消防士は、悪魔のような生き物である「炎」の動向を窺い、その爆発の危険を鋭く察知し、それが空気の中に潜んでいる間に飛び込んで消火・救命を敢行する職人芸の持ち主なのである。そこでは炎は不倶戴天の宿敵であると同時に、彼らを魅了する伴侶でもあり、そこから炎への愛に満ちた対話との戯れが生まれたりもするのである。

不慮の死で斃れた父親の跡を継いで消防士になった兄弟の屈折する感情とラストの大爆発&アクションシーンが見ものである。


今日もまた時給40円の労働に汗を流す子我が子愛しや 蝶人

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