照る日曇る日第539回
もうこれで仕事が1カ月以上来ないので、気分を変えようと普段は読まない絵本を手にとってみた。
ある保健所で実際にあったという「でかお」という名前の捨て猫を巡るお話だが、こんなことが実際に起こるのか!というなかなかに感動的な物語であった。
いちおう犬でも猫でもどんどん捨ててしまう驕れるアホ馬鹿日本人に対する警告の書というスタイルになってはいるが、そんなことより、これはこの実話をごみ箱の中から探し出してきた作者たちのお手柄なのである。
とりわけ最後のページに添えられた「「明日もいっしょにおきようね」という一文こそ、プロの仕事といえよう。
そういえば2002年の2月に亡くなった我が家の愛犬ムクを最後に看取ったのは、1匹の名も無い茶色の猫だった。彼だか彼女だか分からないが、この野良猫は死に掛けのムクちゃんの犬小屋の中に同棲して星降る零下の寒夜をお互いに温め合い、食事を共にし最期の日々を生きたのだった。
いつの日にか君は大成するというそれまでわれは生きておるべし 蝶人
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