闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.276
エリザベス女王をケイト・ブランシェットが、スコットランドのメアリー女王をファニー・アルダンが演じているが、後者は前者より年齢が若いのでこの配役はおかしい。むしろ逆にした方が良かったかもしれない。
それに波瀾万丈のエリザベス女王の生涯を描くのにメアリーの処刑に触れずに済ませているのはもっとおかしい。
また彼女の生涯の恋人がロバート・ダドリー卿であったことは事実だが、この映画では彼女がロバートとのセックスに夢中になる有様を侍女たちにのぞき見させており、これがどうして「処女王」なのか理解に苦しむのである。
メアリー女王と共謀したノーフォーク卿の陰謀にロバート・ダドリー卿も加担したように描かれているが、その事実はないし、恋人を失いながらも英国と国民を夫とする処女王として悲愴な決意で能面のような顔を晒すラストシーンで流れるのは、なんとモーツアルトのレクイエムであるのには苦笑の他はない。それまで劇中で使用されていたのは同時代の音楽なのだから、せめて少し時代が下がるがパーセルなどを流すべきだろう。
それより何より私はロバート・ダドリー役のジョセフ・ファインズの顔が死ぬほど嫌いなので吐き気をこらえながら2時間我慢して眺めていたのであった。
被災地より昨日着きたる柴犬次郎我が家のムクに生き写しなり 蝶人
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