Saturday, July 07, 2012

山崎山崎貴監督の「ALWAYS三丁目の夕日」正続編を見て




闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.272273


あんまり世間ラアラア騒ぐのでずっと見ないでいたのですが、どこか生理的快感が湧きだす不思議な映画でした。

昭和30年代の東京に生きる人々を主人公にしたお話だからそうなるのではなくて、原作者や製作スタッフ、とりわけこの監督の母体である「白組」の社長島村達雄氏、そしてロボットというちょっと風変わりな会社の感性がうまく合体してこの微妙なバランスでなり立っている映画を現象させたといえるのではないでしょうか。

堤真一という芸達者のまわりを薬師丸ひろ子、堀北真希、もたいまさこ、吉岡秀隆、小雪などの役者がレイアウトされ、絶妙な味わいを醸し出しています。特に素晴らしいのは薬師丸ひろ子で、昔から隠れファンだった私は、彼女の起用と妙演に熱い拍手を贈ったことでした。

続編では桃井かおり、田中邦衛と同様少し口跡に嫌な癖のある吉岡秀隆がなんとかぐあんばり、子役の須賀健太を巡って敵役の小日向文世と張り合うのですが、ここで踊り子役の「降れ降れ」小雪が儲けものの名演を見せてくれます。

芥川賞を逃したものの恋人と息子を一挙に手に入れるという逆転サヨナラ満塁ホーマーの幕切れはいかにも出来過ぎたお話とはいえ、高速道路無き日本橋の欄干に降り注ぐ夕陽と共にいわゆるひとつの感動をお茶の間にもたらすのでありました。


無神論者も頭を垂れる神社かな 蝶人

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