Monday, April 30, 2012

フランシス・コッポラ監督の「コットンクラブ」を見て





闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.234

大恐慌前後、禁酒法時代のNYのエンターテインメント界とギャング社会の興隆を2つの愛の交流を軸にして描く。

当時のハーレムの歓楽スポットに集うマフィアたちやチャプリンやギャグニーやグロリア・スワンソン、デューク・エリントンなどが登場し、歌や踊りやショウの数々をたっぷり楽しめるのは結構だが、どうも活動写真的推力に欠けるのはなぜだろう。

ひとつには主役のリチャード・ギアの役柄が中途半端なのと、ダイアン・レインの素人芝居が足を引っ張り、せっかくグレゴリー・ハインズが見事なタップを見せたり、それとシンクロしてギャングの暗殺シーンを見せても、そういう手法自身にもはやなんの目新しさもないので観衆が鼻白むということがある。

70年代に大ヒットした「ゴッドファーザー」ではマフィアの抗争そのものを徹底的に描いたので、1984年に製作したこの作品では少しフォーカスをずらしてギャング噺とラブストーリーの2焦点に据えたことが裏目にでたのかもしれない。

ラストなどは噴飯もので、名監督らしからぬ不出来な上がりになったのはとても残念である。


「報連相」する間もなくて喉に落つ 蝶人

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