闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.228
一九七二年製作のパニック映画の秀作です。タイタニックを思わせる海難事故で突如沈没してしまった巨船ポセイドン。天地がさかさまになってしまった地獄絵のような状況で、ジーン・ハックマン扮する牧師が身を犠牲にして獅子奮迅の大活躍をするのですが、興味深いのはこの牧師の信仰のありかたです。
同じ映画に登場するおとなしく祈るだけの牧師とは大違い。患難汝を玉にする、ではないけれど、たえず人智を尽くして考え、あきらめずに最後の最後まで行動する点が素晴らしい。
人世誰しもいつでもどこでもこういう危機がいっぱいだけど、いざ彼等と同じ局面に陥ったら、どのように振舞えるのか。そういう究極の危機管理、自分の落とし前の付け方の教訓譚としても身につまされてお勉強になります。
罪咎の欠片も無しに虫けらのごとく息絶ゆ神なき人の世
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