闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.219
名高いシャンソン歌手のあまりにも数奇な生涯をさまざまなエピソードを交え、時系列を無視した回想録風に映像化しています。
オランピア劇場におけるコンサートなどいずれも歌手本人の録音が使われており、「薔薇色の人生」や「愛の讃歌」「私は後悔しない」など彼女の代表作を楽しむことができるのはたいへん結構なこととはいえ、肝心のピアフを演じる役者マリオン・コティヤールの顔が気に食わない。いや、そもそもピアフはああいう顔をしていたのかしら。
昔顔、「顔、顔が嫌い」というエピック・ソニーからデビュー―した新人の作品がありましたが、芸人と政治家は顔がいのち。実際にピアフがあんな顔をしていたか否かは知りませんしどうでもよいことですが、あんなけったくその悪い泣き顔を見ているとこちとらの生きる気力も萎えてきます。
ダアンという監督の力量もいまいちで、往年のおフランス映画の輝きを知る人にとっては無惨というほかはないていたらくの出来栄えです。
われのことを三白眼の狂四郎と言いし男をまだ憎む 蝶人
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