Saturday, November 17, 2012

ジョエル・オリアンスキー監督の「コンペティション」を見て




闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.347

プロのピアニストを目指す年長で貧乏なリチャード・ドレイファスと若くて美人で大金持ちの娘なんとかちゃんが、サンフランシスコのなんとかコンクールで宿命の対決をするといういかにもなお話。

この二人、国際コンペの常連で抜きつ抜かれつ争ってきた顔見知り。ドレファスは彼女と違って年齢制限でコンペは今回限りであり、これを逃すともうワールドレビューのチャンスはない。しかも自分の大成を支えてくれた父親が余命いくばくもないので必死なのだがお互い相思相愛の仲となってしまう。さあ大変。

恋も大事だが、でもグランプリはもっと大事。男は決勝でベートーヴェンの「皇帝」を、女はモーツアルトを止めて急遽(私の大嫌いな無内容でこけおどしだけの駄曲)プロコフィエフの3番に変更する。さて最後に勝利を収めたのはどっちだったでしょう。 

オケはサンフランシスコが会場なのに、なぜかロスフィルが登場。演奏はピアノもオケもあんまり良くないが、ドレファスがリハーサルの時にちょっとジュリーニに似た指揮者の解釈をやりこめる所が面白い。


にしても轢き殺されて地べたに横たわっている蟷螂はわたくしのようだ 蝶人

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