闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.158
これは英語でもフランス語でもなくスペイン語で喋っているあら珍しやのアルゼンチン映画。部下の男性を愛する女性判事がヒロインですが、後期バーグマン似のこのラテン系のえぐい顔がどうしても気になってあんまり瞳の奥をのぞきたくなかった。
主人公の男性判事が、ふとしたことから妻を暴行され、殺戮された若者の味方になって、いったん放棄された捜索を危険を冒して再開したのも、その美貌の若妻に向けられた殺人犯の瞳の奥の秘密のせいで、人はここからあんまり他人の瞳を凝視するのは問題があるという次元の低い教訓を手に入れることもできるだろう。
ああしてこうしてこうやったそのあとは、驚くべきどんでんがえしが観客の鰯の目のどきもを射抜くのであるが、それは見てのお楽しみ。罪に対する法の罰がなまくらな場合、私怨がいきつく極北の荒野を明示してこの異色のサスペンス映画は終わる。
どこまでも釣り舟草を追いかけてゆく 蝶人
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