Sunday, October 09, 2011

フランシス・フォード・コッポラ監督の「ゴッドファーザー2」を見て


闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.156

シリーズ第2作ではトマト畑で亡くなった先代ゴッドファーザーの生い立ちが二代目アル・パチーノの暗欝な闘争と覇権の確立と交互に描かれる。マーロン・ブランドの若き日を演じるのはロバート・デ・ニーロで、このシリーズを成功させたのはコリオーネ・ファミリーを演じる個性的な役者の顔触れにあるともいえよう。

特に秀逸なのは幕僚役のロバート・デュバルとアル・パチーノの不肖の兄役のジョン・カザール、そして妹役のタリア・シャリアでファミリーの優等生と劣等生が悲喜こもごも内紛を繰り返すから物語はいちだんと生彩を放つのである。

巨大な敵ロスをようやく屠った主人公だったが、どうしても身内の裏切りを許せず、血の粛清を続けて最愛の妻にも去られる。己一個のささやかな幸福を犠牲にして大家族=ファミリーの正義と繁栄を第一義として滅私奉公するそのいびつな姿は、かの連合赤軍の血まみれの悲惨な末路をまざまざと想起させる。

 あらゆる共同体は個我の運命をおしつぶす。コリオーネ・ファミリーよりも、山口組よりも自分、会社や国家よりも圧倒的に自分が大事である。

日記書きましたなぞとつぶやいて客を誘う君は孤独な一匹ブロガー 蝶人

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