Thursday, October 06, 2011

フランシス・フォード・コッポラ監督の「ゴッドファーザー」を見て


闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.153

マリオ・ブーゾの原作をコッポラが監督し、マーロン・ブランドとアル・パチーノが共演した1972年のアメリカ映画で、この2人の演技と存在感がともども素晴らしい。

特にブランドのしゃがれ声がニノ・ロータの哀愁を帯びたテーマ音楽と低く重く響き合って、このどうしようもないイタリアコルシカ島マフィアの果てしない暗闘と殺戮と愛憎のドラマの通奏低音となっている。

映画のはじめではやくざ稼業とは無縁の秀才であったアル・パチーノが、自らが望んでか望まれてかずぶずぶとこの世界に足を踏み入れ、ラストでは偉大な祖父の押しも押されぬ後継者として頭角を現し、普通の家庭の幸福を夢見るダイアン・キートンの手が及ばない無限地獄に飲みこまれていく、そのコントラストが見事である。

ミンミンと鳴くのはミンミン、ジイジイは油、チイチイはニイニイ蝉、カナカナはヒグラシ、シャンシャンはクマ蝉、ツクツクオーシはその名のとおり

10月の6日に夏の蝉が鳴く 蝶人

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