Friday, October 07, 2011

ジャン・ドラノワ監督の「サン・フィアクル殺人事件」を見て


闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.154

ジョルジュ・シムノン原作のメグレ警視が活躍する探偵小説を、懐かしのジャン・ギャバンが余裕たっぷりに風格の主演を楽しんでいる。サン・フィアクルというのはフランスの地名で、わがメグレ警視の生誕の地である。

 少年時代のメグレのあこがれの的であった伯爵夫人が何者かに脅迫されているというので、何十年振りかで故郷に戻ったギャバンだが、その翌朝哀れ彼女は教会で息絶える。

 思い出深き依頼者の生命の危機を未然に防ぐことができなかったギャバンは、遅まきながら捜査に取り組むが、意外や意外、真犯人はすべての観客のあらゆる予想を覆す者であった、という巧妙なトリックよりも、昔はこういう映画が映画だった、のであるんであるんであるん。

曼珠沙華刈り残すほどの菩提心 蝶人


No comments: