Sunday, August 21, 2011

フィッシャー・ディースカウ&ジェラルド・ムーア「シューベルト歌曲全集」を聴いて


♪音楽千夜一夜 216

ドイチェ・グラモフォンに彼らが録音したシューべルトの男声用の全てのリート408曲21枚組のCDを続けて聴くと、ディースカウの前にディースカウなく、ディースカウの後にディースカウなしと思わずつぶやいてしまう。

それはあまたの指揮者あるにかかわらず、フルトヴェングラーの前にフルトヴェングラーなく、フルトヴェングラーの後にフルトヴェングラーなしとツイートするようなものである。

あるいはまた、あまたのピアニストあるにかかわらず、バックハウスの前にバックハウスなく、バックハウスの後にバックハウスなしと独語するようなものである。

なかんずく「水車小屋の娘」「冬の旅」「白鳥の歌」の3大歌曲集の絶唱が心にしみる。1枚当たり265円のバジェット価格も、げに懐に優しい。

 お父さん浮輪潰して下さいと頼まれて浮輪の空気を抜くああまた一つ夏が逝く 蝶人

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