Friday, August 05, 2011

アラン・ドロン脚本・監督・主演の「危険なささやき」を見て


闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.136

1981年に希代の色男が人もすなるくわんとくをワレモ、と得たりやおうと飛びついて試みた監督主演の探偵謎解きおフランス映画の超ダサく。

元デカ上がりのドロンが神出鬼没獅子奮迅の大活躍を演じるが、気持ちよさそうなのは当のご本人だけで、恐らく当時のパリでも映画館は閑古鳥が鳴き騒いだろう。

久しぶりに真面目に論じるに値しない凡作が登場してくれたので、私もほっとしているが、おそらくこの頃からフランス映画の輝かしき栄光とやらに徹底的に西日が差し、ヌーベルバーグの遺産はどこへやら、俗流大衆路線の台頭による腐敗と堕落の怒涛の進撃が開始されたのであらうどろん。

それにしてもルネ・クレマンやビスコンティ、ゴダールなどの名監督の下では圧倒的な存在感を見せたこの美男子が自作を自演すると、どうしてこういうポンチ絵になってしまうのか不可解というかとむしろ当然か。所詮はイーストウッドになれなかった人気俳優の哀れな末路を涙なしにご高覧あれ。

一億の民が一本の傘の下ヒロシマナガサキフクリュウフクシマ 蝶人

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