Monday, August 29, 2011

梟が鳴く森で 第3部さすらい 第10回


bowyow megalomania theater vol.1

僕はそんなかっこうで洋子のやわらかな身体をしっかりと抱きとめたまま浜松の郊外にある田島砂丘の向こうに輝く冬の太平洋の群青色をいつまでも眺め、ドオーン、ドオーンと鳴り響く大波の遠吠えを子守唄のように気持ちよく聞いていました。

そのまま僕と洋子は、眠っていたようでした。

その時、突然後頭部に鈍い痛みが走り、僕は洋子を離して白い砂の上にうつ伏しました。

今度は横隔膜をガツンと蹴りあげられました。

見上げると、のぶいっちゃんが僕の上におおいかぶさるようにして仁王立ちになっていました。

顔は太陽の影になっていて暗くて見えませんでした。黒い影はぺえっとツバを吐き、ツバは僕の右眼の上のところでベッチョとへばりついたまま、なかなか下へ下りてきませんでした。

あんたは初体験で舞いあがってるが俺たちはいやんなるほど知り抜いているんだよ 蝶人

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