Friday, April 01, 2011

チッコリーニの「サティのピアノ作品集」全5枚組を聴いて

♪音楽千夜一夜 第184夜 サティは不思議な作曲家で、モーツアルトやバッハやベートーヴェンばかり聴いていると猛烈にこの人の音楽、のよおなものを耳にしたくなるときがある。パンやご飯やそばやパスタばかりでなくてたまには山葵を口にしたくなるよおなもんだ。  Je te yeux とかsix gnossiennesとか、とかく機会音楽、機械音楽、環境音楽の元祖のように考えられているのだろおが、それはそれで当時画期的な発想であったんであり、もっと言えば旧来の音楽の和声と調性に対する方法的制覇を組織したシャンソニエーの革命的テロリストだったんだろお。にもかかわらずそいつがいかなる内容の映画やドラマのBGM音楽にもなりうる融通無碍じゅげむジュゲム振りを内蔵しているところにこの人の隔絶した個性があるんであるんで、あるん。 サティ、この選集はEMIの廉価盤だが、5枚組1683円だったから1枚336円とゆうことにあいなってかなり割安であるし、演奏は若き日のチッコリーニだから最上のバルビエとまではいかなくとも平均75点の優れた演奏で、最上と次善の違いはとゆうと、詩魂のあるのとないのんの差であるんで、あるんで、あるんだった。  5枚目の演奏だけは確信に満ち満ちたピアノの鳴りっぷりをしており、異質とゆうか、一皮抜けきったとゆうよおな特色があるが、はてそれがサティの音楽の本質に近いか遠いかは、弾いたご本人にも分からんじゃろう。 サティって何者なんやよお分からんわとぶつぶつ言いながら弾いてるからこーゆ録音になるんじゃチッコリーニ 茫洋

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