Wednesday, March 25, 2009

「相馬師常やぐら」を訪ねて

鎌倉ちょっと不思議な物語第169回

相馬師常は源頼朝の重臣、千葉常胤に次男で、相馬氏の祖となった武将です。1180年(治承4年)の頼朝挙兵に父常胤と共に参加して活躍した相馬師常は、その後も奥州征伐などで多くの戦功を挙げました。念仏行者として端坐、合掌して没し(即身成仏という)多くの人々が感動した逸話でも知られています。

彼の父親の常胤は千葉県の名の元にもなった名家の出身ですが、その父親常重と頼朝の父義朝が相馬御厨の所有権を巡る騒動もあり、「吾妻鏡」にあるようにただちに三〇〇騎をもって頼朝の救援に駆け付けたわけでもないようです。

それはともかくこのやぐらは、玄室奥壁中央部の大きな龕(がん)が切り石でふさがれている独特の形態であり、玄室左奥の一石五輪塔も非常に珍しいものです。伝承とはいえ被葬者の名前が知られているきわめてまれなやぐらとして貴重です。


♪新幹線ではビュフェでカレーがいいよと教えてくれしおじもビュフェも今はなし 茫洋

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