Thursday, May 31, 2007

宮城谷昌光著「風は山河より第5巻」を読む

降っても照っても第19回

信長が激賞し、家康に恃まれ、信玄が欲しがった防守の名将菅沼新八郎の戦いを描く一大歴史小説がこれにて終った。

知られざる三河の戦国期をはじめて教えてくれた著者には感謝するが、これこそ竜頭蛇尾小説の典型だろう。

所詮この主人公は歴史小説の脇役に過ぎず、贔屓の引き倒しの感あり。

叙述は展開部の快速調はどこへやら、最終巻にいたって気息奄奄、失速墜落炎上の巻。

おもしろうてやがてかなしき声色屋

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