Tuesday, May 01, 2007

右か、左か、真ん中か

♪バガテル op18

昨日中野坂上の学校で、広告代理店を受けるという大学生から就職相談を受けたときのこと。

彼女が、「自己PRの、“どんな新聞を購読しているか”という欄に、朝日新聞と書いてもいいでしょうか?」と尋ねるので「君が実際に購読しているのなら正直にそう書けばいいじゃないか」と言うと、「読売ならともかく、朝日は左翼的な新聞だから、私落とされるのではないでしょうか?」と余計な心配をしているのでこれにはちょっと驚いた。

あのブル新(死語?)の代表選手である朝日のどこが左翼的なのか、私などは理解に苦しむが、ともかく朝日新聞が「左翼的」になってしまったこの20年について改めて感慨を新たにしたことだった。

しかしもしも朝日が左翼なら、他の新聞はどうなるのだろう?
毎日も左翼偏向で、まあまあニュウトラルの日経を挟んで読売は右翼。部数凋落につき関西では夕刊を廃止したサンケイはさしずめ超右翼であろう。

しかし私が便宜上勝手に右翼に編入した読売が、日本帝国主義の戦争責任についてしぶとく追及し、悪名高きナベツネ主筆が、意外にも?靖国神社参拝問題で朝日と同じ見解であることが判明するなど、私のこの安直な左右のレッテル張りには、多少の不安定要因もある。ただし前首相の靖国神社参拝に関して賛成しているのは、大手?新聞社中ではサンケイのみである。

新聞に続いて同じ伝で出版社にレッテルを貼ると、朝日は相変わらず左翼で、講談社は左翼偏向、ニュウトラルはよくわからないけど集英社と光文社。そして読売資本に入った中公新社はまあ右翼で、新潮、文春、小学館はみな右翼偏向ないし一部超右翼であろう。

同様にしてテレビ局においても同一資本関係での共通項は認められるが、意外と左翼的?なのはNHKであろう。しかし大半の局が娯楽番組に血道をあげ報道関係はお茶をにごす程度なので判定不能だ。

このように、もはや民放テレビ局はあらゆる意味で“社会の木鐸”(古すぎ?)やオピニオンリーダーではない。従ってテレビ画面での言説においては誰かが誰かに殺されることはないが、雑誌や新聞での意見の開陳においてはそれが頻繁に繰り返されている。(20年前の朝日新聞阪神支局の小尻知博記者)
 
言論の自由に命をかけるジャーナリストは新聞と雑誌メデイアだけにわずかに偏在し、弛緩しきった痴呆番組を垂れ流すあれらの局アナやキャスターたちの憂い無き笑顔の中には間違っても存在しないのである。

安倍政権による憲法改定の策動が露骨になるなかで、わが帝国におけるジャーナリズムの右翼的再編とファシズム勢力のあくことなき伸張、それにともなう白色テロルの横行はますます跳梁をきわめることだろう。

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