Sunday, March 25, 2012

英EMIの「カラヤン声楽全集1946-1984」を聴いて

♪音楽千夜一夜 第253回

なんたってオペラはヘルベルト・フォン・カラヤン。そのカラヤンが指揮したオペラをこれでもか、これでもかと聴かせてくれる71枚のCDだ。小澤なんぞと違って凡庸な演奏はただの1枚もない! おまけに録音も音質も最高でしかも1枚134円の廉価盤と来る。これを買わない奴は阿呆だぜ。

 驚くのは1950年代にウィーン・フィルと録音した『魔笛』『フィガロの結婚』『コシ・ファン・トゥッテ』の完成度の高さで、後年のベルリン・フィルよりもこちらの気品と流麗さを取る人も多いだろう。

 70年から80年代の『サロメ』『ローエングリン』『ドン・カルロ』『アイーダ』『マイスタージンガー』『さまよえるオランダ人』『オテロ』『トリスタンとイゾルデ』『フィデリオ』『トロヴァトーレ』『ペレアスとメリザンド』こそカラヤン芸術の最高峰であり、これを耳にすればもう当節の吹けば飛ぶよな尻軽指揮者の風俗オペラなんぞに間違ってもブラボーと叫ばないだろうて。

 特に最近のN響のストラッキンのコンサートで絶叫していたアホ馬鹿男に、この超弩級セットを薦めたい。


世界中のオーケストラをネットラジオで聴きまくる雨の朝 蝶人

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