Tuesday, December 06, 2011

ウイリアム・ウエルマン監督の「ボー・ジェスト」を見て


闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.176

1939年製作のクーパーが主演するフランス外人部隊3人兄弟物語です。監督はウイリアム・ウエルマンという妙な名前のアメリカ人ですが、第一次大戦中にみずからフランスの外人部隊に志願して花形パイロットとして活躍したという。そんな実体験が本作にも反映されているようです。

題名の「ボー・ジェスト」とは仏語で優雅なしぐさという意味らしいのですが、この仲良し兄弟は次々に従軍して優雅どころか1人を除いて名誉の戦死を遂げてしまうのですが、お家で待っていた恋人と再会できたのはなによりでした。

戦争といっても砂漠のアラブ軍と死闘を繰り広げるのですが、砂丘の彼方にぽかりと浮かんだ城砦に籠り、怒涛のように攻めてくるイスラム軍と孤立無援の戦いを繰り広げるゲーリー・クーパー選手の姿は、これこそが1930年製作のスタンバーグ監督の「モロッコ」の続編そのものではありませんか! 

きっとクーパーのあとを裸足で追い掛けていったマレーネ・デートリッヒちゃんは、あわれイスラム軍の美しき女奴隷になってしまったに違いありません。

ハーレムの奴隷となりしデートリッヒ今宵コーランをひとり読むらん 蝶人

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