bowyow megalomania theater vol.1
昨夜のあんな気持ちの良いことを、洋子は僕とだけではなく、のぶいっちゃんともやったのだ。
僕はたった1回しかやっていないのに、のぶいっちゃんとはもっともっと前から、何回も何回もやっていたのだ、と考えると、そう考えただけで僕の胸は苦しく、頭の中は灰色に濁ってきて、もうねたましくてねたましくて、くやしくてくやしくてどうしようもありません。
僕はまだアジやイワシがじゅうじゅうと音を立てて焼け焦げているたき火にいきなり足で砂をかけて火を消して、
「チエッ、チエッ、チエッ、僕なんか、もうどうだっていいもん、どうなったっていいもん」
と言いながら中田島砂丘めがけて全力で走っていきました。
全力で走るのですが、足が砂にめりこんでうまくは走れず、よたよたと海岸の波打ち際のところでよろめき、バッタリと倒れてしまいました。
思いきや水の底より竜立ちて末の松山波越ゆるとは 蝶人
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