Thursday, July 28, 2011

ロマン・ポランスキー監督の「チャイナタウン」を見て


闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.133

この映画もこれまでに何回か見たはずなのに、それを忘れてまた見てしまった。ロサンジェルスの水道をめぐる殺人事件をジャック・ニコルソンの私立探偵が巻き込まれ最後はファム・ファタール役のフェイ・ダナウエイがロスのチャイナタウンで非業の死を遂げるところまでポランスキーは一気呵成に見せてしまう。

ダナウエイはミスキャストだと思うが、彼女にしてはベストパフォーマンスをみせ、父に犯されて妹でもある娘を孕まされる悲しみを好演しているし、その阿漕な父親を演じるジョン・ヒューストンの怪演が素晴らしい演技を見せたニコルソンのお株を奪っている。ニコルソンの鼻をナイフで切り裂くカメオ出演の役者ポランスキーの圧倒的な存在感も見事。

1930年代のロスを再現した美術セット、ジェリー・ゴールドスミスの音楽も演出の意図にはまったもので、砂漠の上の仇花ロサンジェルスを流れる河があり、毎晩突然鉄砲水が奔出するというプロットも出色で、これぞハリウッドフィルムノワールの傑作と評すべきであろう。

この子居所がないこの老人居所がない 蝶人

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