Monday, July 04, 2011

コリーヌ・セロー脚本監督の「サン・ジャックへの道」を見て


闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.128

2005年製作のフランス映画です。母親が亡くなったので3人兄弟が遺産を相続しようとするが、それにはフランスのル・ピュイからスペインの西の果て、聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラまで1500kmにもおよぶ巡礼路を一緒に歩くことが条件になっている。金持ちの社長と厳格な女教師と呑んだくれの風来坊という仲の悪い3人が、お互いにいがみ合いながらも深山幽谷を長期にわたって苦行のように巡礼するうちに、同行するガイドや仲間たちに助けられてすっかり人間が変わり、めでたく目的を達成するという旅は道連れ世は情けの人情物語です。

仲間にはフランス語が書けないイスラム教徒の少年やガンにおかされた女性などさまざまな老若男女が呉越同舟していて、想定内のさまざまな事件や色恋沙汰を繰り広げるのですが、そのプロットの陳腐で薄っぺらで中身の空疎なこと! この監督が「映画なんてこんなものさ」とたかをくくっているその見識の低さに完全に見合った程度に出来上がっている典型的な3流映画です。

こんな下らない代物を連発しているから「フランス映画はもう終わり」と絶望するシネアストが続出してくるのでしょうね。いやあ完全に2時間を浪費してしまった。

     人として最低の人を任命する最低の人辞表受け取る 蝶人

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