Friday, April 24, 2009

60年代のメンズカジュアル

ふぁっちょん幻論 第49回

60年代のメンズ・カジュアルファッションといえばなんといってもジーンズでしょう。アメ横には米軍から放出された大量のジーンズが人気を集めていました。

1964年に「平凡パンチ」、66年には「週刊プレイボーイ」が創刊され、VANに代表されるアイビールックとJUNなどのコンチネンタルルックが覇を競い、TPOなる言葉が石津謙介氏によって流行語となりました。

60年代後半からはベトナム戦争が泥沼化し世界各地で反戦運動が起こります。パリの5月革命、日本の全共闘運動などを背景にカウンターカルチャーが全盛となり新しい思想文化、とりわけ先鋭的なモードが全世界で澎湃として巻き起こってきました。
例えば英国で起こった服飾の新潮流モッズはmodernの略ですが、50年代終わりのロンドンで誕生し、ビートルズなど時代の先端を行く若者や服装の代名詞となっただけでなく日本のGSにも大きな影響を与えました。

また米国原産のサイケデリックは、ヒッピーで流行したLSDによる幻覚を指し、これが現代アートに激烈に作用します。そして前記のモッズと後者のサイケがヒッピーファッションに大合流し、当時の若者の服飾の主流を形成するようになるのです。

67年に登場した新宿フーテン族、演劇では寺山修司「天井桟敷」、唐十郎の「状況劇場」などのアングラ、そして69年には新宿西口でフォークゲリラが激発します。広告の世界では「モーレツからビューティフルへ」「フィーリング」などという言葉が流行語となる頃、モードの古典的な規範は崩壊に近づきつつありました。モードの底が、いったん抜け落ち、擬制の自由とやらにみな酔った振りをしたのです。

長髪と反アイビーの西海岸ジーンズなどが、反体制のシンボルとして定着し、「アンチ・ファッションという名のファッション」が市民権を得たわけです。続いて西海岸に発生した数々のアウトドアルック、パンク、そしてさまざまなイタリアンカジュアル。80年代まで世界中で疾風怒涛のファッド旋風が吹き荒れます。私がベルボトムをはき、ヘレンカーチス第2液を買ってきてはじめてパーマをかけたのもこの頃でした。


♪8時半に演説終えし候補者と隣り合わせの京急バスに乗る 茫洋
♪見知らぬ人に満面の笑顔振舞われ路地に逃げ込む市議会選挙

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