Monday, September 29, 2008

西暦2008年茫洋長月歌日記

♪ある晴れた日に その40


逝く夏やあまたの栗を拾いけり 


紋黄揚羽の雄が由比ヶ浜真っ二つ

名月や五人揃いし美人かな

道端に魚の尻尾が落ちていた

水に漬け叩きつけたるわがパソコン

おんどりゃ誰じゃあ正体明かせ

オラオラ、オンドリャガアア~

片脚を置いてどこかへ消えた人

一ヵ月発注がない怖さかな

彼岸花刈られず残りし力かな

月下美人誰一人見ず散りにけり 

紺碧の翡翠熱帯魔境に消ゆ
 
この場所で死んだ人を覚えている


暮れなずむ夕陽か
はたまた朝焼けか
わが心なる行き合いの空 

生きることは苦しきことなり
朝毎に
私の骨は激しく痛む 

輪舞 輪舞 輪舞
三組の蛇の目蝶のカップルが
生き合いの空を舞っていた 

道端に栗がひとつ落ちていた
誰も見ていなかったので
拾って帰った 

卒中の後遺癒えざるも
理髪師は
巧みにわれを切りたり

紺碧の翡翠
故地を
魔境に変える

佐渡の空
発信カードつけて飛び立ちぬ
100%中国産のニッポニア・ニッポン

ご丁寧に発信筒をつけられて
佐渡の空に放たれしは
中国産ニッポニア・ニッポン

結局は
他人がやっていることには興味がない
ということになるんだな

ドミンゴもフレーニもゼフィレッリもみな若かった
クラーバーがオテロ振りし
76年12月7日ミラノの夜

スカラ座の罵倒にめげず
オテロ振る
カルロス・クライバーの雄々しき姿

われのみが
段ボールを捨てるらし
雨音しげき火曜日の朝

この場所で
確かに人は死んだのだ 
世界は死に塗れている

誰もが知っている
小さなことを
ひそやかに語りたい

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