茫洋物見遊山記第57 回&鎌倉ちょっと不思議な物語第240回
なんでも平成21年から2年間にわたって修理されていた建長寺につたわる中国元朝の「白衣観音図」が今回の目玉のようですが、私がいちばん面白かったのは近所の光触寺の所蔵にかかる「頬焼阿弥陀縁起」の巻きものでした。
無実の人の罪咎を肩代わりならぬ頬代わりして傷を被った阿弥陀如来の尊い所業に感じ入った女性が新たに比企が谷に岩蔵寺を建て、本尊に運慶作のこの頬焼阿弥陀を迎え入れるまでの物語が写実的なタッチと美しい色彩で彩られた名品で、これが重要文化財に指定されているのは当然のことでしょう。
ちなみに現在十二所に所在する岩蔵山光触寺は、鎌倉時代に一遍上人によって開かれたと伝えられている名刹ですが、当初は比企が谷にあったのでしょうか。しかし「鎌倉廃寺事典」にこの寺は載せられていないので、「鎌倉こども風土記」の記述の誤りであるとも考えられます。
この問題については、朝な夕なにこのあたりを散歩しておられる光触寺の住職さんに、いつか直接うかがってみることにしたいと存じます。
*なお本展は来る5月29日まで開催中です。
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