♪音楽千夜一夜 第196夜
もうロッシーニもルネ・フレミングもこりごりだ、と思っていたのに、2010年5月1日に上演されたこの演奏はだんだん良く鳴る法華の太鼓、最後はかなりの竜頭蛇尾ですが、もうもう見あきたセビリアの理髪師よりよっぽど新鮮で見ごたえがありました。
フレミングの歌唱は長大なアリアを息切れもせず、ロッシーニ独特の旋律に巧みなフィオリトゥーラをつけくわえて素晴らしい。彼女の本命のリヒアルト・シュトラウスなんかよりよっぽどこっちがいい。十字軍の騎士ローレンス・ブラウンリーを魔法と色香で牛耳り歌も演技も乗りに乗っていました。
リッカルド・フリッツアの指揮は良くないが女流演出家メアリー・ジマーマンは音楽を壊さない中庸の壺を外さずまずまずの出来。1817年の初演以来のこんな楽しい出しものを享楽できるNYの観客は幸せですね。
パンクがわからないやつはパンクしろ! 茫洋
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