bowyow megalomania theater vol.1
「ズン!」
と鈍い音がして、ジャイアント馬場はずってんどおとあおむけにひっくり返り、額の真中から真っ赤な血潮が薔薇の泉のようにこんこんと噴き上げるのを上目づかいに見上げてからすぐに息絶えました。
公平君が次に襲いかかって来る警官にピストルの銃口を向けるより早く、警官の振りかざしたカシの木のこん棒が公平のうすっぺらな額をざっくりとふたつに打ち砕き、ざくろのような傷口を午後三時の陽光にぎざぎざにさらしながら、公平も朱に染まってバリケードの内側にどおと倒れてしまいました。
僕と文枝と洋子が落ちてくる体を支えようと必死で抱きとめた時には、すでに公平君はこの世の人ではありませんでした。
五月晴れ何事かなさむと年毎に思う 茫洋
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