Monday, May 02, 2011

根岸吉太郎監督の「探偵物語」を見て

闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.122


1983年に角川春樹が「遠雷」の根岸監督、脚本の鎌田敏夫、主演に薬師丸ひろ子。松田優作を起用して制作した赤川次郎原作の探偵ごっこラブムービー。

音楽の松本隆や加藤和彦、大滝詠一を含めて当時のタレントを総動員した観のある作品だが、ラストの空港の別れに至るまでの展開がまどろしく普通の観客なら10分で席を立つに違いない出来栄えになっている。

では見どころはどこかというと松田優作が別れた妻秋川リサと、やくざの財津一郎が親分の情婦中村晃子と情を通じる時の嬌声の録音。考えてみれば根岸吉太郎は日活ロマンポルノの名匠で、それが傑作「ひとひらの雪」の艶麗な濡れ場演出を生みだしたのだった。

薬師丸ひろ子などの女優が着ている肩パッド入りのジャケットやバブル時代のヘアスタイルが一抹の哀愁を誘う。


震災に遭いし老犬わけもなく隣家の庭で朝晩に吠ゆ 茫洋

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