bowyow megalomania theater vol.1
「そこに、のぶいちが、いる」
と、公平君は押し殺したような低い声で、言葉を胸からきれぎれに押し出すように言いました。きれぎれに押し出すように言いました。
見るとススキの根元から3メートルくらい離れたところに、息も絶え絶えののぶいっちゃんが両手をぐったりと広げ、下半身が川の中にすっぽりと浸かったまま地面に横たわっていました。おそらく川を渡り切れずに途中で意識を失ってしまったのでしょう。
僕は大急ぎで不思議なお家にとって返して、みんなを連れてきました。みんなで公平君とのぶいっちゃんを、ふうふういいながら不思議なお家までひっぱりこみました。
洋子は小川から水を汲んで来て二人を裸にして全身をきれいに拭き清め、身体のあちこちで傷ついて、血が出たり、あざになっているところにきれをまいて、家の奥の方に並べて寝かせました。
夜中を過ぎたうしみつどき、公平君は突然
「くそ、ばかあ、のぶいちをはなせ、はなせ! はなさないと一発お見舞いするぞ!」
と寝言を言いました。
おシャモジは奇麗に洗ってくださいね何回言ってもあなたは聞かないけれど 茫洋
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