Saturday, October 17, 2009

ヘスス・ロペス・コボス指揮パリ・オペラ座で「ホフマン物語」を視聴する

♪音楽千夜一夜第86回

オフェンバックが作曲した「ホフマン物語」を録画したビデオで視聴しました。

これは主人公ホフマンが、「歌う人形」のオランピア、「瀕死の歌姫」アントーニア、「ヴェネツィアの娼婦」ジュリエッタと次々に恋に落ちるが何れも破綻するというお話です。

世のオペラの大半は荒唐無稽であり、またそれでいっこう構わないのですが、この作品はあらすじはそれほどひどくはないものの、肝心かなめの音楽そのものが荒唐無稽そのものです。

さまざまな演奏稿が流布しており、いずれも演奏に2時間以上かかる大曲なのですが、ゆいいつ聴くに値する箇所があの有名な「ホフマンの舟歌」であるのは、それ以外のアリアや管弦楽がいかに無価値で無内容であるかを雄弁に物語っています。

指揮者は超ベテランのヘスス・コボスですし、オケもそこそこ、歌手も重要な役どころで実力派のブリン・ターフェルが出演しており、才人ロバート・カーセンが演出で奮闘しているのですが、まったく煮ても焼いても食えない非音楽的な駄作です。

しかしこのオペラのゆいいつの救いは、プロコフエフの「3つのオレンジの恋」というタイトルの名称以外になんのとりえもない最悪のオペラがあるということぐらいでしょうか。
とりわけ2幕のあほだら行進曲は、人間脳ではなく爬虫類の脳によって書かれた吐き気を催すように愚劣な旋律で、私はこの史上最悪の曲を聴くくらいならいっそ死んだ方がましです。

♪やい3つのオレンジども3つの糞ころがしにでも恋すべし 茫洋

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