Saturday, September 08, 2007

昔の光、いまもなお。古我邸&庭園を歩く

鎌倉ちょっと不思議な物語75回

鎌倉文学館(旧前田邸)、華頂宮邸(旧宮家)とならぶ鎌倉3大洋館のひとつが、この古我邸&庭園(旧荘清次郎邸・非公開)である。

大正五年、夏目漱石が亡くなった年に、かつて恐らくは智岸寺という廃寺があったと想定される場所に三菱銀行の重役荘清次郎の別荘が建築された。

設計は三菱銀行などの建築を手がけた櫻井小太郎。見るからにイングランド郊外の英国貴族の館を思わせる英国コテージ様式のすばらしい洋館が扇ガ谷近辺の山麓に現存している。

建物は木造2階建てで外壁はこげ茶色の板をウロコ状に張ったシングル張りという珍しいもの。昭和初期には浜口雄幸、近衛文麿などの総理大臣が別荘として使用し、現在は日本人で初めてカーレーサーになった古我信生夫人がご高齢にもかかわらず、まだ実際に居住されている! 

当初この一帯は「三菱村」といわれ、岩崎家はじめ三菱財閥の要人が別荘を構えていたという。実際に拝見したが、豊かに緑なす広い前庭と瀟洒な後庭に取り囲まれた重厚な洋館は、いつまでも後世に伝えたい懐かしい風韻を醸し出していた。
(鎌倉シルバーボランティアガイド協会資料より引用)

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