Monday, August 20, 2007

ある丹波の老人の話(42)

第七話 ネクタイ製造その3


私が設立した東洋ネクタイ製織所は、波多野鶴吉翁が郡是を経営した精神に学び、次のような願いを定めました。

吾等の念願
1 イエスキリストを当社の社主と奉戴して日々その聖旨に従い、之を忠実に行はんことを期す。
2 キリストの教訓に従い、己の如くその隣を愛する精神を以って凡ての事を為さんことを期す。
3 善因善果、悪因悪果の教訓に従い、各自謙遜を以って修養し自己品性の向上を計る為最善の努力を為さんことを期す。
4 常に考え、常に学び、常に励み而して常に何物かを創造せんと勉むることを期す。
5 目的達成の為信仰を養い終りまで耐え忍ぶ者は救わるべしとの信念を以って前進せんことを期す。
                    株式会社 東洋ネクタイ製織所

  そうして私は、ひとえに神の御旨に叶う工場であることを期し、賀川豊彦、本間俊平その他キリスト教界名士の教訓指導を受けながら、我々のささやかな営みが主の栄光を顕す一端になることを祈りつつ前進したんでした。           

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