闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.237
私達の世界には多くの霊が存在しているはずだが、1950年制作のこの映画では、それが実際に存在していることを確信する立場から描かれてひときわ異彩を放っている。
霊というてもケルト神話に出てくる善良な巨大なウサギで、これがジェームズ・スチュアートに取り付いている、といわんよりは彼の親友で、一緒にタクシーに乗るしレストランにも入る。
はじめはそんな馬鹿な話があるかと思っていた人も、だんだんその存在を信じるようになるばかりか、いや絶対に居るはずだ→いや居てくれないと困る→居ないと地球が寂しくなる、というプロセスを辿るに至るのである。
私はこういう霊についてとくとくと語る青山某や美輪某が大嫌いであるが、この映画に出てくるような幻影のウサギなら大歓迎で、じつは拙宅にもすでに大きくて人間に似たのが1ぴきいるのでこの映画を見て我が意を得たりの心境になった。
血肉を備えてもっともらしいことをワンワン吠えたてる人間などもう要らないけれど、こういうこの世とあの世を自在に往来する平和と平安の徒はどんどん増殖していって宇宙に充満してほしい。
見えない人には永久に見えないが、見える人には直ぐ見えるウサギは、人の心を幸せにするのである。
霊園の果てに佇ちたり聖マリア 蝶人
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