闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.255
わたしの大好きなサム・ペキンパーが、わたしの大好きなジョエル・マクリーとランドルフ・スコットを起用して演出した1962年制作のB級西部劇である。
ペキンパーのどこが好きかといわれると、このひとのいかにも凶悪そうな「名前」と、実際にの顔がもたらす「怒涛の狂気の映像」が好きなのだが、本作のごとく得意中の得意のはずのその狂気が全然登場せず、単なる凶器にとどまっていてもそう嫌いではない。期待外れの楽しさもまたその人と映像ヘの愛なのだから。
それではジョエル・マクリーとランドルフ・スコットがどうして好きかと問わるれば、彼らがガンベルトが似合う大人の西部劇役者であるという点につきるので、アランラッドやアンソニー・パーキンスなどは西部劇とは縁もゆかりもない俳優なのだ。
映画の最後でいったんは仲たがいしたこの老いたる旧友は、ならず者たちと4対2の決闘をするが、その武士の作法に似た冷徹なたたずまいにやはりペキンパー一流のなまなましいリアリズムが透けて見えるのである。
ユニクロの980円の緑色のポロシャツを着て箱根行きけり 蝶人
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