Saturday, May 05, 2012


篠田正浩監督の「瀬戸内少年野球団」を見て

闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.239


阿久悠の原作を田村孟が脚本にし、篠田正浩が演出した敗戦後の淡路島で起こる悲喜こもごもの物語。これが遺作となった夏目雅子、監督夫人の岩下志麻、若き日の渡辺謙、郷ひろみ、島田紳介、戦犯となってシンガポールで処刑される海軍の元提督に伊丹十三、その娘の佐倉しおり、ちあきなおみ、大滝秀治など数多くのスタアが出演しているが、見終わって演技していたのは岩下と伊丹という印象が残るのはなぜだろう。

 それにしても敗戦の混乱の中で女児一人を含む九名の野球団を立ち上げ、子供たちを夢中にさせる夏目雅子先生の五齢の蚕のように透き通った青白い肌がいつまでもスクリーンの奥で揺曳しているような奇妙な感慨を伴う不思議な映画である。

篠田正浩という人はまだ心身ともに頑丈なのにもう映画は撮らないというが、新藤兼人の爪の垢でも飲んでも一度ぐあんばってもらいたいものだ。されど郷・夏目夫妻が取り組んだ島での花卉栽培は、その後どのような進展をみせたのだろうか?


人参の葉っぱを残して下さいな黄揚羽の幼虫の大好物なので 蝶人


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