Monday, January 31, 2011

ヒッチコック監督の「疑惑の影」をみて

闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.82

1942年に製作されたこのモノクロ映画は、当たり前のことながら人間うわべだけで信用してはいけないよ、という教訓を地でいくような話です。

実際は恐ろしい凶悪犯人である叔父役には、「第3の男」のジョゼフ・コットン。そのオジサンにはじめはあこがれ、慕いながら、次第に生命の危険にさらされていく姪を演じるのがテレサ・ライトで、天国から地獄へと転回するこの2人の心理の綾をヒッチは舌舐めずりしながらこれでもか、これでもかとスリリングに描いていきます。

音楽は本作では名人デミトリ・ティオムキンが担当してスリルとサスペンスを盛り上げています。原題も邦題と同じですから、国際的な誤解を招かなくて大変結構です。

しかしもう2度と見ることもないでしょうね。


平然とシルバー席につく若者をふと殺したくなる冬の朝かな 茫洋

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