闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.82
1942年に製作されたこのモノクロ映画は、当たり前のことながら人間うわべだけで信用してはいけないよ、という教訓を地でいくような話です。
実際は恐ろしい凶悪犯人である叔父役には、「第3の男」のジョゼフ・コットン。そのオジサンにはじめはあこがれ、慕いながら、次第に生命の危険にさらされていく姪を演じるのがテレサ・ライトで、天国から地獄へと転回するこの2人の心理の綾をヒッチは舌舐めずりしながらこれでもか、これでもかとスリリングに描いていきます。
音楽は本作では名人デミトリ・ティオムキンが担当してスリルとサスペンスを盛り上げています。原題も邦題と同じですから、国際的な誤解を招かなくて大変結構です。
しかしもう2度と見ることもないでしょうね。
平然とシルバー席につく若者をふと殺したくなる冬の朝かな 茫洋
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