バガテルop85
家族の方へ 災害後の助言by日本自閉症協会会長・石井哲夫氏のアドバイス
「子供さんにもよりますが、高機能で生活行動の自立した子供さんの場合は、まず不安が取れず興奮しているわが子の気持ちをいやすことを考えてください。そのためには傍らにいて静かに話しかけたり、好きな音楽を聴かせたり、本を読ませたり、ゲームをさせたりするとよいと思います。そしてこの機会に災害から逃れた状況に関してわが子の取った行動をほめてほしいと思います。特に自分から気づいたり判断したりしたことがあれば、それを繰り返し話し、本人の気付きをはっきりさせることが良い教育になるのです。
自立していない子供さんの場合は、嫌がらない場合にはよく抱きしめてあげたり、一緒に毛布やふとんの中でくるまって落ち着かせる工夫をしてください。」
いかにもこの人らしい温和な対応ですね。30年前のその昔、私は石井氏などが主張する、自閉症児の障碍をただありのままに受け入れようと主張する「受容療法」に批判的でした。症状と障碍のもっと本質に肉薄して損傷部分を活性化する積極的な療法にかつえていたのです。しかし障碍者に対して強制的にかかわる際の反発や逆効果などを考慮すると「大人になった」今では、こういう受け身の対応もあながち全面的に否定するものではありません。
昔は自閉症の原因を「脳の器質障碍」であると考える医者や学者はきわめて少数で、たとえば神奈川県戸塚のこども医療センターに勤務していた東大精神科のあほばか医師などは、ふたりとも自閉症の専門家を自称していたにもかかわらず、私の長男の障碍の原因を母親の育児の失敗(当時「母原病!」と呼んでいた)によるものである、となんの科学的根拠もなく、一方的に決め付けてくれました。
その後こういうお偉い人たちも、主流派の情緒障碍説から機能障碍説へとこっそり「転向」したのでしょうが、あの時の彼らのしたり顔を思い出すたびに、きょうもふつふつと怒りがこみ上げてくるのです。
それはさておき、私はかつて1日両切りピース50本の猛烈なヘビースモーカーであり、強度のニコンチン依存症であったために、その毒が妻の胎内に入って障碍児を誕生させたと確信していますので、若い人たちにはどうしても禁煙してほしいのです。
♪「新世界」の第4楽章は行進曲ではない讃歌である「歌え歌え」とクーベリックは叫ぶ 茫洋
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