闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.94
1960年制作のヒッチのかなり怖いサスペンス映画。母親との関係がゆがんでいた二重人格的なアンソニー・パーキンスがジャネット・リーを襲うシーンは緊迫感が漂うが、このシャワー殺人の場面を映像だけで見てもそれほど怖くないのは、いかに音楽のベルナード・ハーマンが大きく貢献しているかのあかしだろう。
一説ではタイトル・デザインを担当したソウル・バスがこのシーンのコンテを描いたそうだがむべなるかな。彼はこの作品のみならず数多くの映画タイトルをデザインしたが、世界でもっともはやくCIやコーポレートデザインの考え方を提唱し、実践した人物として歴史に名をとどめている。
私はこの人の名前をはじめて耳にしたとき、「精神を内蔵したバス」を想像して面喰ったものだが、「デザインになにができるか」という仮説を立て、その考えを極限までおし進めた功績は大きい。彼はその名にふさわしい偉業をなしとげのかもしれない。
ちなみにかなり早い時代からこの御仁と提携した広告代理店の電通は、大企業にCIをやらせることで大儲けしたのであった。
欧米で流行っていればなにごともパクリとぱくってお手柄にする 茫洋
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