Sunday, February 27, 2011

西暦2011年如月 茫洋狂歌三昧

♪ある晴れた日に 第85回


口を「あ」の形にして死んでいった少年

その少年に僕はムクをひどいめにあわせやがってと怒鳴った

もう生きていても仕方がないのと母親が言う

エイハブの胸に迫りし白き牙明日はわれらの胸にも迫る

現代より古代が優れるもの多し文化文明人間思想

国境の彼方に二人を引き裂いて今年の夏もひまわりが咲く

くそったれ2カ月も発注がなければ自由業は干上がっちまうよ

豚食えば吐き気すこれ飽食の原罪ならむ 

僕らは思惟のみ役立たずの脳無し能無しに生きる■蟻や梨や

いたつきのために売られし司馬江漢遠近画法の海の絵いずこ

三人の鼾は全然違う

アイーダを視聴しておるのに「震度3」

ハイドンの「五度」聴き終えて春の雪

ヤマガラとメジロとシジュウカラが一度に訪れし我が庭よ

人間なのに尻尾が出たと騒ぎしが尻から出たる回虫なりき

茅ヶ崎の教会堂に響き渡る母喪いし青年の大きな泣声

母親を六九歳で喪いし自閉症青年が歌う「神共にいまして」

無能無知無価値な子の尊さわれのみぞ知る

ビデオ捨てLD捨ててDⅤDも捨て同じ映画をBDで録る

小泉福田安倍麻生鳩山菅出てくる奴は皆皆悪い

欧米で流行っていればなにごともパクリとぱくってお手柄にする

可笑しくもないのに笑うひとよと言いし女を訳も無く憎む

平然とシルバー席につく若者をふと殺したくなる冬の朝かな

立ったままジャパンタイムズを読んでいる京急バス内のインド人

スギタニルリシジミのスギタニ氏とはいかなるひとならむ

卒塔婆一本先祖代々癌の家


  佐々木眞午後六時也薄陽差 茫洋

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