音楽千夜一夜 第143夜
2008年9月にデッカから発売されたピアノによる演奏大全集をようやく聞き終わりました。例によってついつい1枚180円という廉価につられて買ってしまったのですが、これはどれをとっても聞き逃せない名盤揃いで、さきの35枚組ヴァイオリン名曲集以上の耳の悦楽を与えてくれました。
ラインアップはシフによるバッハのパルティータやピアノ協奏曲、グルダの平均律全曲、ケンプ、ギレリス、ゼルキン、アラウによるベートーヴェンのソナタや協奏曲、バックハウス、ベームによるブラームスの協奏曲、アルゲリッチのショパン、リヒテルのハイドン、カーゾン、ルプーのシューベルト、コヴァセビッチ、デービス、ハスキル、フリッチャイによるモーツアルトの協奏曲、ケンプによるシューマン等々ですが、なかでもシフとグルダは抜群の聴きごたえがありました。
半分くらいはすでに所有しているCDでしたが、最新のマスタリングがなされているので演奏だけでなく録音も素晴らしいのです。
もはやこの世にあらざるピアノの名人たちの名演奏に次々に耳を傾けていると、聴いている私も、この世にあるかあらぬか定かではない不思議な世界にたゆたいゆき、夢の中で鳴り続けている音楽にいつまでも身をゆだねているのでした。
♪はげたかファンドの雇われ社長となりて肩で風切る哀れな君たち 茫洋
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