ふあっちょん幻論第18回 20世紀の10大トレンドその10「ジャパニーズデザイン」
20世紀のアパレル・デザインに対して日本人のデザイナーたちは大きく貢献するとともに
世界のファッションの中心軸を、アジアのほうへ拡散させた。
60年代 森英恵 NY進出
70年 高田賢三 パリデビュー 70年代はじめ 一生、カンサイ
デコントラクテ/ジャポニズム
74年 一生 「一枚の布」 <間> レイヤード、オーバーサイズ
82年 川久保玲 山本耀司のパリコレデビュー。
東洋アジア主義の服、無装飾 ぼろルックの衝撃
85年 ジャパニーズパワー 全盛
80年末 一生 プリーツ
97年 川久保玲「ボディ・ミーツ・ドレス」
99年 一生A-POC 「世界服の創造」東洋西洋の域を超えて中心の拡散に挑戦
00年代 数多くの新人デザイナーたち
「一生のプリーツは伝統建築工芸である」、と太鼓奏者の林英哲は語る。
石垣、石畳、石段、なまこ壁、瓦屋根、垂木、格子戸。布の襞が繰り返す反復の造型は古い町並みの静けさや詩情、流れる水や風を感じさせる。
糸が織り成す反復造型で布地を織る作業には、ビートや時間が含まれる。それが畳まれてプリーツになり、身にまとって衣服になる。
「だが単なる衣服を越え、建築のように時間や空間や思想をも内在させた独立した造型になっている」「持ち運びのできる建築」「身に纏う思索」それが三宅一生の本質である。
というのはいささか褒めすぎの感もあるが、一生以降革新的な日本人デザイナーが登場していないことも事実であろう。
21世紀は、このような過去のビッグネームに依存したり期待せずに、「ジャパン・クール」などの切り口で日本の独自性を編集したり、東京ガールズコレクションのようなカジュアルセンスを海外に発信すること、あるいはまた創造性の枯渇にあえぐ「日本」自体をいっそ見切ってBRICs、韓国、ベトナムなどの新興勢力とともに新しいビジネスモデルを構築する方向性をめざすべきであろう。
*なお本シリーズは「深井晃子氏&京都服飾文化研究財団レポート」を参考にさせていただきました。
♪一夜にして百花落ち一朝にして百花咲けり 亡羊
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